
時間ができると、いつもフラッと行く場所がある。
ここへ来る電車からの眺めが気に入って、いつも車ではなく電車に乗ってここへやって来る。
湖上では、どこかの大学のボート部が練習をしていた。
ポケットから読みかけの小説をだして、石の階段に腰掛ける。
遠くの山の上では小雨が降っているようす。その山の上の空だけすこし暗い。
雨がやんだのだろう。山の上の空が明るくなりだした。
しばらくすると、その山から空へ向けて、虹がかかりはじめた。
本を閉じて見上げていると、なんと虹の外側にもう一つ、二重に虹がかかりだした。

(へぇ〜、二重の虹は、内側と外側、色の順番が逆になるんだ…)
(これはシャッターチャンス!)と思っているうちに…あれっ、消えてしまった。
二重にかかる虹を見るのは縁起がいいらしい。(ダブルレインボー?)
すぐに消えてしまったけど、少しだけいい気分になれた。