「まさか、序盤のKO決着になるのか…?」
予想をしていなかった展開に目が離せなくなった。
47.6kg。
こんな小さな二人の異国人のぶつかり合いで、これだけ熱くさせれることも、この先そうそうないだろう。
マヨールのパンチ力、スピードやバネなどの身体能力は噂通りだった。
リーチ差をいかしてロングのパンチで戦うなどのイーグル対策、そしてなによりも、気迫が凄かった。
しかし、それを上まわるイーグルの中盤以降の修正能力は凄かった。
マヨールの先制攻撃に熱くなってリズムを崩し、無駄なパンチをもらってためたダメージは中盤まで響くが…
マヨールのパンチの軌道をよみ、避ける時の頭の位置をかえた。
そしてボディーを攻め、イーグルより一つ遠い距離から攻めていたマヨールの射程距離を縮め(ボディが効くとパンチの伸びがなくなり攻撃範囲が狭まる)、接近戦で打ってはサイドにステップするなど、序盤の荒々しい戦いぶりから一転して精密な組み立てで、じわりじわりとペースを手繰り寄せ、冷静に、慎重に、自分のボクシングをマヨールにはめ込んでいく…。