「これがラストファイト。すべてをかけて戦う…。」
注目の東洋タイトルマッチ、竜平はマスコミにそう発言していた。
試合当日の朝、「今日は頑張って!」と竜平の携帯に短いメールを送った。
「完全燃焼します!」と短い返事が返ってきた。
“アジアの石の拳”という異名を持つ超ハードパンチャーのランディ・スイコを前に、竜平はゴングと同時に勢いよく一直線に進み、そのまま顔めがけてストレートを打ち込んだ。続けて左・右・左・右…と、竜平のラッシュがはじまった。
「初めから打ち合う」という作戦は聞いていたが、さすがにこれには驚いた。こんなタイトルマッチは観たことがない。
チャンピオンのハードパンチにまったく臆することなく、立て続けにパンチを繰り出しつづける。勝っても負けてもKO決着しかない。
この戦い方こそ、竜平がボクサー人生の締めくくりに選んだスタイルだった。
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Posted by satocy_1_2_3 at
23:28
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